大判例

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東京高等裁判所 昭和53年(行ケ)17号 判決

当事者間に争いがない本件商標と各引用商標の構成(請求の原因(二)1記載)によれば、本件商標からは「マイヘツド」の称呼が生じ、各引用商標からは「マイペツト」の称呼が生ずることは明らかである。

右の両称呼は、共に五音から成り、第三音において「ヘ」と「ペ」、第五音において「ド」と「ト」と相違するけれども、第一・二音の「マイ」と第四音の促音「ツ」を共通にし、しかも第三音の「ヘ」(he)と「ペ」(pe)は母音「e」を、第五音の「ド」(do)と「ト」(to)は母音「o」を、それぞれ共通にする。

しかしながら、「ヘ」はいわゆる喉頭音で両声帯を接近させ、その間隙から出す無声摩擦音と母音「e」の結合した音節であるのに対し、「ペ」はいわゆる唇音で両唇を合わせて口むろの気圧を高くし破裂させる無声破裂音と母音「e」の結合した音節であつて、両音は調音位置と調音方法を全く異にするものであり、聴者にとつてその差異についての印象は強烈であること、また、「ド」と「ト」は調音位置、調音方法において共通するものの、「ド」は有声の濁音であるに対し、「ト」は無声の清音である点になお差異があることは経験上及び音声学上明らかである。

そうすると、両称呼は、前記のような共通点を有することを考慮しても、右に述べた「ヘ」と「ペ」の差異の聴者に与える印象が、「ド」と「ト」の差異とあいまつて、全体として聴別され得ない程度のものではないと認められるから、両者は誤認混同のおそれがあるとはいえない。よつてこの点についての審決の判断は是認できる。

また、審決理由のその余の点も是認できる。

そうすると審決を取り消すべき違法はない。

よつて、原告の本訴請求を棄却する。

〔編註〕本件に関する商標は左のとおりである。

別紙第一目録

<省略>

別紙第二目録

<省略>

<省略>

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